韓国のSEO対策と <ruby>NAVER<rt>ネイバー</rt></ruby>マーケティングの秘訣
韓国では3つの検索エンジンが普及しています。1つ目はNAVERと呼ばれ、LINEの主要株主であるNAVER コーポレーションが運営しています。2つ目はGoogle、3つ目はDAUMと呼ばれています。韓国人に最も支持されているのはNAVERで75.2%のシェアを持ち、実に4人中3人が利用し、検索だけでなく様々な情報へアクセスできる韓国の最大のポータルサイトです。ちょうど日本のヤフーのように検索エンジンだけでなくメディアとして機能しているイメージです。
「韓国インターネットサービスと広告効果分析報告書(2017年)」によると、NAVERは男性より女性の利用率が高く、年齢が若くなるほど使用率が上がっています。
韓国人がNAVERを使い続ける理由
国内検索エンジン最大手のネイバー、世界最王手のGoogle、そして韓国でトップシェアを持つメッセンジャーアプリ「カカオトーク」の検索エンジン「DAUM」が選ばれている理由や検索している分野、満足度を比較しました。
すると、ほとんどのユーザーはNAVER、DAUMを使用する理由として、「使い慣れているから」と回答し、一方Googleを選択する理由は「豊富な情報量」を挙げています。韓国人向けに最適化された検索エンジンであることがうかがえます。検索満足度の結果を見ると、意外なことにGoogleが最も高く、NAVER、DAUMと続きます。具体的な理由として、「検索結果の適合性」、「有益性」、「信頼性」と回答しユーザーの探している情報に対し、適切な検索結果を表示していることが想像できます。韓国においてGoogleの占有率がNAVERに大きく水をあけられているのに対し、サービスの満足度が高いのは矛盾するようです。
これは、NAVERの戦略とユーザー体験に乖離が生じてきているためと思われます。例えば、NAVERはキーワードを検索した時に「NAVERブログ」、「NAVERカフェ」、「知識IN」(Q & Aサービス)など、自社のサービスを中心に表示し、自社サービスに縛られず検索結果を中立的に提示するGoogleに比べてユーザーが閉鎖的だと感じて来ているためだと分析できます。
とはいえ現状は、NAVERは韓国人の圧倒的な支持を受けています。 NAVERがGoogleに比べ、大幅にユーザーを獲得できた最も大きな理由は、米国と韓国の文化に配慮したうえで、韓国人に対しインターネットの勃興期から顧客志向のサービスをいち早く開発したポータルサイトだったからです。NAVERは、玉石混交の情報を提示するよりも、韓国語の情報を収集したうえで、消費者のニーズに対応できる編集機能を加えて、検索結果に出るように誘導しました。そして、NAVERの関連サービスでユーザーが作ったコンテンツを優先的に表示させることで、検索サービスの価値向上に努めてきました。
現在NAVERは4,000万人の会員を保有しており、1日あたりの訪問者は3,000万人に達しています。検索エンジンやニュースに加え、Webサイト上に掲載される漫画サービスのWEBTOON、カフェ、ブログ、ショッピング、知識INなどのサービスを提供して、広告収益を中心に事業を育てています。
NAVERの初まりは、2002年開始された知識検索サービス「知識IN」に遡ります。知識検索を起点としてニュース検索、ショッピング検索、人物検索、図書検索、地域検索を横展開し、韓国人の間で、NAVERは世界のすべての知識と情報を検索できる場所という確固たるブランドイメージを築くことに成功しました。 その後も検索サービスを継続的に改良を重ね、検索市場における不動の1位を獲得し、市場占有率70%以上を確保することができるようになりました。 NAVERの検索市場に対する飽くなき挑戦と韓国人の特性に合わせたカフェやブログの運営により、インターネットといえばNAVERという基本的な文化にまで高め、確固たる地位を築きました。
NAVERはWebサイトよりもブログを重視している
つまり、韓国のオンラインマーケティングはNAVERマーケティングを意味し、特にNAVERマーケティングで強調されるのはブログです。 それは、ブログがNAVERの検索エンジンに最適化されたソーシャルメディアだからです。実際、NAVERで検索した時に上段に出てくる情報の多くがブログ情報です。 ブログこそが情報の迅速性と多様性を兼ね備えたウェブメディアであり、NAVER戦略の中心に位置付けられています。2016年4月時点で、2,300万個のブログが開設されています。
このようにNAVERでは、特定のテーマで持続的、長期的に、コンテンツを更新しているブログは上位表示され、記事の内容が薄く、トピックが分散しているブログは上位表示が難しくなりました。
以前よりもコンテンツの質を重要視し、ブログの執筆者が個人であれ法人であれ、記事の内容に対する評価基準を上げています。つまり、私たちはNAVER上にまだ存在していないオリジナルコンテンツを作り上げることが必要です。短期的に上位表示させることに時間と労力を使うよりも、良質なコンテンツを持続的に制作していくこといくことが重要課題です。そして、コンテンツのフォーマットは文章、画像、動画など多様な形態で制作することも一つの評価基準になります。
毎日、数多くのブログが生まれており、ブロガーたちもコンテンツを次々と量産しています。このようなブロガーたちとの競争の中で、自社のブログの露出を増やすための戦略を練ることがブログマーケティングの核となります。
NAVERブログを運営するコツ
ブログを初めて作る時は、企画に時間を使いましょう。ブログの中心のテーマをトップページに設定し、想定読者の年齢とカテゴリーを整理することが大事です。
また、素直で正直な文章を書くことを心がけましょう。
ユーザーから信頼が得られたブログはその分野でアクセスが増えていきます。それに伴い、責任も重くなります。誤った情報を伝えてしまった時には、自ら認めて修正しましょう。最も優れた危機対応とは、問題があった時でも体裁を繕わずにすぐに過ちを認め、今後同じ過ちをしないように心がけることです。
また、ページビューを増やしたいからといってユーザーの反応に右往左往しないようにしましょう。ブログマーケティングは、量よりも質が重要です。短期的にアクセス数を増やすために、知人やビジネスパートナーを総動員してブログをクリックさせる施策は長期的にはプラスにはなりません。
専門性のある文章を書くこと
誰もが知っているような記事ではなく、専門性のある文を書きましょう。ありふれた内容はユーザーの流入は獲得できたとしても、結局離脱してしまいます。
タイトルは簡潔に
記事のタイトルはできるだけ簡潔に書き、文脈に合わせましょう。上位表示を狙うために、関係のないキーワードを含ませたタイトルを書いてしまうと上位表示はできるかもしれませんが、実質的なマーケティング効果は見られないでしょう。粗雑なタイトルと大雑把な内容は絶対に避けるようにしましょう。
良い記事の制作を追求する
質の良いブログを作って激しい競争の中で生き残るべきです。 企業のブランド知名度の向上させるためには、NAVERの検索のアルゴリズムをきちんと分析したうえで効果的に活用する必要があります。
まとめ
韓国のオンラインマーケティングは、主にNAVERマーケティングを意味し、NAVERマーケティングが成功するためには良質のブログの制作が必須です。 顧客の立場から戦略的なキーワードマーケティングを展開し、継続的に有益なコンテンツを発信しましょう。 NAVERのサービスは絶えず変化し、私たちはNAVERの視点、顧客の視点、マーケッターの視点に配慮しながら、この変化に対応しながらユーザーとの信頼関係を構築していく必要があります。